離婚で弁護士を立てるタイミング:後悔しないための賢い選択
離婚は人生における大きな決断であり、多大な精神的・経済的負担を伴うものです。
特に、財産分与、養育費、親権など、複雑な問題が絡み合うケースでは、専門家である弁護士に相談・依頼し、サポートを受ける必要性が高くなります。
この記事では、離婚を検討している方に向けて、弁護士に相談する最適なタイミングについて詳しく解説します。
離婚を決意したとき、弁護士への相談が最も効果的
離婚を検討し始めたばかりの段階で、弁護士に相談することをおすすめします。
なぜなら、離婚は早い段階から法的観点からのアドバイスを受けることで、より円満な解決に繋がる可能性が高まるからです。
弁護士に相談するメリット
客観的な視点: 感情が対立する状況になりがちな離婚問題において、弁護士は客観的な視点から状況を分析し、適切なアドバイスを提供します。
法的な知識: 離婚に関する法律は複雑であり、専門家でない方が全てを把握するのは困難です。弁護士は専門知識に基づいて、あなたの権利を守り、不利な状況を回避するための戦略を立ててくれます。
交渉力: 相手方との交渉は、感情的な対立を招きやすく、なかなか折り合いがつかないケースも少なくありません。弁護士は交渉の専門家として、あなたの代わりに交渉を行い、有利な条件を引き出すことができます。
手続きの円滑化: 離婚手続きは、法的な手続以外にも様々な書類の作成や提出など、煩雑な作業が伴います。また、相手方に書類の作成への協力を依頼しなければいけない場面も少なくなく、さらに相手方が対立しているがゆえに書類作成に協力してくれない場合もあります。弁護士に依頼することで、これらの手続きをスムーズに進めることができます。
心の安定: 弁護士に相談することで、法律的な知識を得て、今後の手続きについて具体的なイメージを持つことができるため、心の安定につながります。
弁護士に相談すべきケース
話し合いがまとまらない場合: 相手方との間で、財産分与、養育費、親権など、なかなか折り合いがつかない場合は、弁護士の介入が必要となることがあります。
DVやモラハラを受けている場合: DVやモラハラを受けている場合、安全確保や精神的なダメージの回復を最優先に行う必要があります。弁護士は、あなたを法的にも精神的にもサポートします。
相手に弁護士がついている場合: 相手に弁護士がついている場合、一人で交渉するのは困難です。弁護士に依頼することで、対等な立場で交渉を進めることができます。
複雑な財産状況の場合: 高額な不動産や株式など、複雑な財産がある場合は、専門家の知識が必要となります。
子どもがいる場合: 子どもの養育費や親権の問題は、離婚における最も重要な問題の一つです。子どもの将来を考えた上で、適切な決断をするために、弁護士に相談することをおすすめします。
弁護士に相談するタイミング
一般的に言えば、弁護士への相談は、早ければ早い方がよりよいです。
例えば離婚調停がかなり進行してから、話し合いがまとまらずに弁護士に依頼される方も中にはいます。
しかしこの場合、弁護士は一から話を聞いて、離婚に至る経緯と話し合いの経緯を聞いて、資料を一から目を通さなければいけないため、途中から話をまとめるということはかなり苦労することが多いです。
調停であれば申立ての前、遅くとも申立書を出した直後の段階から、弁護士に委任することが望ましいです。
また特にお子様がいる場合は、できれば別居前から弁護士に相談されることが望ましいです。
夫婦の一方がお子様を連れて無断で家を出て行くというケースは頻繁にありますが、現在の司法では、お子さんを連れて出て行くこと自体で直ちに違法な連れ去りと評価されることはまずないため、別居によって生ずるさまざまな問題を事後的に解決することは困難となる可能性が高いです。
もちろんすでに別居している場合はできるだけ早く相談されるべきですが、できれば別居前の段階で別居を見据えて弁護士に相談されることが望ましいと思います。
ただ離婚を考えているという段階でのご相談は、今後さまざまな可能性が考えられるため、具体的に明確な回答をするということが困難な場合も多いです。しかし、相談のタイミングが遅くなるよりはよいと思います。
離婚を検討している方は、以下のタイミングで弁護士に相談することを検討しましょう。
離婚を決意したとき: 早期に弁護士に相談することで、今後の手続きについて具体的な計画を立てることができます。
相手方に離婚を切り出す前: 相手方に離婚を切り出す前に、弁護士に相談することで、よりスムーズな話し合いを進めることができます。
離婚協議が難航しているとき: 話し合いがまとまらず、膠着状態になっている場合は、弁護士の介入が必要となることがあります。
調停や裁判になったとき: 調停や裁判になった場合は、弁護士のサポートが不可欠です。
弁護士を選ぶ際のポイント
弁護士を選ぶ際は、以下の点に注意しましょう。
専門性: 離婚問題に強い弁護士を選びましょう。
経験: 豊富な経験を持つ弁護士は、様々なケースに対応することができます。
実績: 過去の成功事例を参考にしましょう。
費用: 弁護士費用は事務所によって異なります。事前に費用について詳しく確認しましょう。
相性: 弁護士との相性も大切です。相談しやすい弁護士を選びましょう。
まとめ
離婚は人生における大きな決断であり、一人で抱え込まずに、弁護士に相談することをおすすめします。弁護士に依頼することで、あなたの権利を守り、より良い未来を築くことができます。
参考記事:離婚のご相談の際の注意点など
ひのもと法律事務所
輿石逸貴 弁護士(静岡県弁護士会)
令和3年1月にひのもと法律事務所を設立。静岡県東・中部を中心に、不動産、建築、交通事故、離婚、相続、債務整理、刑事事件等、幅広い分野に対応する。
憲法学会に所属し、在野での憲法研究家としての一面も持つ。